みなさん、こんにちは。私はカウンセラーとして活動を始めて18年になります。2004年からは神戸でカウンセリングオフィス「ヒーリングスペース・リーブル」を私設開業しています。それに加えて、日本産業カウンセラー協会からの派遣で、企業カウンセリングや研修講師の仕事もしています。元々私は新卒採用で企業に就職し、語学教材の企画・開発等に従事していました。しかし急成長している会社だったため、社員は業務に忙殺され、同僚や先輩たちが次々とメンタル不全に陥っていきました。その状況を目の当たりにして、どうすればこの状況を改善できるのか・・・と悩む日が続きました。その時、たまたま何かの雑誌で「産業カウンセラー」という資格があるのを知り、2000年に産業カウンセラー養成講座を受講、2001年に初級産業カウンセラー資格※を取得しました(※以前は初級と上級産業カウンセラーという資格でした)。更に2003年にキャリアコンサルタント資格も取得。「働く人のメンタルケアがしたい」と思い志した産業カウンセラーは私の基盤になっており、そこから様々な自己研鑽を経て今に至ります。
産業カウンセラーの資格を取ってから、まずは交流分析とゲシュタルト療法を学び、そしてアサーションや論理療法なども学びました。ゲシュタルトに至っては、かれこれ18年くらい学んでいます。しかし実際のカウンセリングでは年を追う毎に難しいケースが増えてきて、私の知識・技量では限界を感じるようになりました。もっと専門的に学ばなければ相談者の支援はできないと切実に感じたので、社会人の心理大学院に入学し、修了しました。大学院の同期には様々な職種の人が学びに来ており、年齢層も20代から70代まで幅広い年齢層の人たちでした。仕事に心理学を取り入れたい、または本格的にカウンセラーになりたいなど動機は人それぞれですが、カウンセリングを学ぶことで人生が豊かになるのは事実です。何よりも自分を知ることができます。ちなみに私は産業カウンセラーになってから、自分のカウンセリングやスーパービジョンを継続的に受けています。長らく自分の内面に向き合ってきて思うのは、自分を知れば知るほど、人のこともよく分かるようになっていくのだということです。私が駆け出しカウンセラーのころ、カウンセラーの先輩に「ラーメンを食べたことがない人は、美味しいラーメンは作れない。カウンセリングもそれと同じだよ。自分がクライアントのプロセスを体験しないと、良いカウンセリングはできないよ」と言われました。本当にそう思います。カウンセラーを目指している方は、是非ご自分のカウンセリングをしっかりと受けてください。
現在私はシニア産業カウンセラーに加え、臨床心理士、公認心理師、国家資格キャリアコンサルタントとして活動しています。しかし、カウンセラーの価値はどんな資格を持っているかではなく、どれだけその人が自分自身に取り組んでいるかだと思っています。安心感を十分に持てているか、目の前の相談者を尊重し全身全霊で向き合っているか・・・。それがカウンセラーであるために必須の要素です。カウンセリングを学び始めて、随分私の人生は豊かなものになりました。きっとカウンセラーである限り、私の学びは続いていくことでしょう。それを私のライフワークにしています。
2019 年から毎月神戸市を拠点とした発達障害女性当事者会「ピアサポートグループ・ディンプル」企画・ファシリテートを担当しています。産業カウンセラーの資格取得後、傾聴の自己研鑽のために、NPO 法人フェミニストカウンセリング神戸で電話相談のボランティアに関わったことが今の活動の契機です。
当会は、発達障害特性で生きづらさを抱える⼈たちのQOLの向上を目的としています。
ワークショップには、アサーティブなどのコミュニケーションや論理療法など、養成講座で学んだ内容を盛り込んでいます。ワークショップ後の語り合いの場では、何を話してもOKな安心安全な場づくりのため、参加者に傾聴の3原則(受容・共感・自己一致)を共有し、語りを通した当事者同士のエンパワメントを図っています。
産業カウンセラー養成講座の時に一緒に学んだグループの仲間とともに、年に2回支援者・当事者等の立場を超えた対話の場を予定しています。
キャリアコンサルタントの資格も取りました。資格取得後は、スキルアップのため協会の実践的な講習を継続受講しています。
私の職場では、多くの対象者を早く就労させることが必要とされますが、最近の私の支援ケースでは、職業経験の少ない若年層(20~30代)の精神的課題から、自己理解が進まず、職業理解に進めないケースが増えていると感じています。早急に就職したいという焦りはあるけれど、現状の自分は受け入れられない、いわば、アクセルを踏んだままブレーキを踏んでいる状態です。このような時、私は産業カウンセラー協会で学んだ『傾聴』に立ち返るように心がけています。一見就労支援は進んでいないように見えますが、近道だと思えます。『傾聴』の本質は奥深過ぎて、実践では難しさを感じますが、今後も磨いていきたいと考えています。
私は教育学部を卒業後、IT業界で働いていました。様々なライフイベントによりキャ
リアが中断しましたが、対人援助への関心から産業カウンセラー資格を取得し
新たなキャリアを目指しました。キャリアコンサルタント資格取得後、受給調整機
関、行政就労相談窓口や大学キャリア相談室の仕事に携わりました。知識不足を
感じ更に深い知見を習得する為、シニア産業カウンセラー資格を取得しました。シニ
アプログラムは充実した内容で、次のステップとしてもお薦めします。
シニアでの学びを通じて産業カウンセラーの役割や意義を再確認でき、現在は産業カ
ウンセラー養成講座の指導者として活動しています。また、平日は公的機関でジョブ
コーチ
として、社会で働く障害者や鬱等による復職者の職場定着支援を担っています。
実践を積みつつ学び続けることがカウンセラーとしての自己成長につながっていま
す。